カテゴリ: トヨタ輸送

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富士松営業所に所属するプロフィア+浜名ワークスHST157RPG。連結全長17mの6台積みトレーラーで、1軸ダブルタイヤの採用により下段最後尾の6番フロアに3ナンバー車を搭載することが可能です。エンジンを掛けずにフロア昇降操作可能な油圧発生装置を採用しており、燃費と騒音に配慮されています。

キャリアカーのフロアは上段トラクタ側から1番→2番→3番、下段も同じく4番→5番→6番と番号が付けられています。1番はアルファードを積むためフロアが下げられ、その下の4番は空きになっています。上段中央の2番と下段の5番はグースネックやタイヤが無い為、背高車を2段積み出来る貴重なスペースです。2番にヴォクシー、5番にアルファードを積載。下段最後尾の6番フロア下にはタイヤあるため背高車の積載は不可で、カローラクロスを積載。どのフロアも上下段で車を前後反対に積むことで、フロアを傾斜させて高さを抑える工夫がされています。

2024年5月 亀山PAにて

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本日はトヨタ輸送の21mキャリアカーをご紹介します。

堤営業所に所属する21m級フルトレーラー型キャリアカーです。21m級の第1号車として、2010年8月に導入されました。21mタイプは構造改革特区の一環として、2010年11月30日から地域限定運行が可能となり、2013年11月5日から全国での運用が可能となりました。

架装は浜名ワークス。トラクタはFH(4×2)のシャーシを2m延長しており、4台の積載が可能。エンジンは9L(350PS)、9速マニュアル、積載量6200kg。トレーラーの積載量は9700kgで、台当たり2400kg程度までの大型車の積載も可能です。

このように本タイプは積載量が大きく、SUVなども多数積載することが可能で、トレーラーの車軸による全幅の制限も無く、各フロアの高さも平均化されており、従来のセミトレ式キャリアカーとは比較にならないくらいに高い積載能力を実現しました。現在の所は多数の生産が予想される新型プリウスの輸送(堤工場⇔名古屋港)に専念しています。この日は上郷SAにて新型プリウスを積載した本車両を目にしたので、簡単にですがご紹介します。


キャリアカーのフロア(荷台)には上段前側から1番→2番→3番→4番、下段も前側から5番→6番→7番→8番と番号が割り振られています。このようにプリウス一車種だとしても、乗務員は様々な制約を考えながら、頭から積むかバックで積むかを決定します。
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トラクタ・・・
トラクタはプロフィアFH(4×2)のホイールベースを6.3mまで延長することで、下段の積載台数を1台→2台に増やしています。総重量に比べるとエンジンは出力は350PSと、ややアンダーパワー気味の様子。イメージ 4

1番と2番は全高を抑える為、背中合わせに積載してやや傾けます。5番(黒プリウス)と2番の間に6番(白)が来ることからバックで積み込み、低いボンネットが6番側に来るようにして間を空けておきます。6番は上段と下段の間に挟まれるように積み込まれています。イメージ 3
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少しでも全高を抑える為、キャブは滅多に見られないローキャブ(キャブの高さを下げた仕様)です。キャブの後部はエンジン整備時のチルトアップする為、角が削り取られた独特の仕様となっています。
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6番フロア(白)は思い切り傾けて積載する必要がある為、それと向かい合う5番(黒)はバックで積み込み、高さの低いボンネット同士を突き合わせることで接触を防いでいます。
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6番(白プリウス)がかなり頑張って積まれていることが分かります。積まれている新型プリウスはおそらく各販売店での展示車でしょうが、いろいろな色が設定されていますね。イメージ 8
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トラクタとトレーラーの連結部ですが、車同士の隙間はギリギリ。トレーラー側の7番を傾けることで6番との接触を回避しています。イメージ 7

トレーラー側は各フロアの高さが平均化されており、特別な苦労無く積み込むことが可能です。
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セミトレではフロアの側面にトレーラー後輪が来るため、5ナンバーサイズ(全幅1700mm未満)以下の車しか搭載出来ません。また、積載作業時にはアウトリガーでトレーラーをジャッキアップし、後輪を外に張り出して邪魔にならないようにしますが、本車両ではジャッキアップも全幅の制約もありません。イメージ 13

21mタイプは現在の所、堤に集中的に配備されているそうです。
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2015年12月 東名高速・上郷SAにて

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本日はトヨタ輸送の21m部品運搬用フルトレーラーをご紹介します。

規制緩和を受けて導入された21m級センターアクスル式フルトレーラー型部品運搬車です。2014年10月に投入されました。従来の部品運搬車(ロングパス)である13m幌ウイングセミトレーラーに対して、積載効率の向上を目指して導入されたのが本車両で、Nロングパスと呼ばれています。

トラクタはFW(低床4軸)。荷室長10060mm、幅2410mm、高さ2700mm、荷室容積65.5立米、最大積載量13300kg。トレーラーは車軸が車体中央に配置されるセンターアクスル式。荷室長7680mm、幅2410mm、高さ2700mm、荷室容積50.0立米、最大積載量11700kg。トラクタ・トレーラー共にトレクスが架装していますが、浜名ワークス製も並行で導入されています。

荷室容積はセミトレの69.8立米に対して115.5立米と65%向上。最大積載量は16000kgに対して13300kg+11700kgの25000kgと50%も向上しました。床面地上高は低床化のおかげで980mmに抑えられており、こちらも荷室容積の拡大に寄与しています。車両運用に柔軟性を持たせるため、ベルマウスとドローバアイはトレクスと浜名ワークスで互換性を有しています。

トヨタ自動車では上郷物流センター⇔トヨタ自動車九州間の部品輸送の一部を2015年8月からトラック輸送に切り替えており、本車両は豊田⇔九州間の長距離運用に投入されています。これに伴い中部~九州間の中継拠点として広島物流センターが竣工しており、乗務員は広島で途中交代を行っています。


連合愛知主催のメーデーイベントで展示された21mフルトレーラー。名古屋東部陸運など協力会社でも同型車の導入が進んでいます。
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トラクタ側の荷室・・・
ウイングは軽量安価なワンタッチ幌構造。開閉はロープで行います。
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トレーラー側・・・
荷台長は7680mm、こちらもワンタッチ幌構造です。
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トラクタ・・・
荷役は側面のみを想定しており、背面には人間用の扉しかありません。
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トラクタ右側面・・・
コンプレッサ、バッテリ、エアタンク等で一杯ですね。
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トラクタ左側面・・・
燃料タンクとアドブルーのタンクのみですっきりとしています。
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ケーブルやカップリングは脱着を考え、全て運転席側に配置されています。
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トレーラの前側ランディングギア
単独留置の他、荷役による連結装置の破損を防ぐためにも使用されます。
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リアから見たトレーラ
トレーラ側の背面には観音扉が設置されています。
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後部のランディングギア
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その後ろにある、車高調整(ハイトコントロール)バルブ。連結状態にて使用します。
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フルトレーラ特有の注意事項が記載されています
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サスペンションはエアサス
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以上です・・・
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2015年5月 豊田スタジアムにて


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本日はトヨタ輸送が所有する21mフルトレーラー型キャリアカーをご紹介します。

トヨタ輸送では積載効率の向上を狙い、1993年に国内初の19m級センターアクスル式フルトレーラ型キャリアカーを投入しました。車軸が車体中央に配置されたセンターアクスル式では荷台長を長く取れることから、大型FFセダン(ウィンダム)を8台積めるようになりました。しかし、その後の導入車両では乗用車の大型化に伴い7台積みとなっています。
 
21m級フルトレーラ型キャリアカーの運行がトヨタ輸送で始まったのは2010年11月30日のこと。自動車輸送の効率化を狙い、構造改革特別区域を申請した岩手・宮城・静岡・愛知・福岡の各県において、特区内限定で運行が可能となりました。これは浜名ワークスや自動車メーカーの提案により実現に至ったもので、全長が21mになったことにより積載台数は8台に向上しています。
 
さらに、2013年11月5日には構造改革特区規制が解除となりましたので、全国での運行が可能となりました。本車両は解除を受けて豊田市の堤営業所に配備された車です。

本車両ではトラクタ側とトレーラ側にそれぞれ4台の積載が可能。トラクタ側の積載量は6200kg、トレーラ側9700kgと1台当たり2000kg程度を確保。トレーラ側の方が積載量が大きいことから、SUVなどは後部へ優先的に積まれているようです。積載量も大きく、トレーラの車軸による全幅の制限も無く、各フロアの高さも平均化されましたので、大型SUVやFRセダンを混載しても8台のフル積載が可能となり、従来のセミトレ式キャリアカーとは比較にならないくらい高い積載能力を実現しました。この日はトヨタ博物館にて積み込みの実演が行われましたので、簡単にですがご紹介します。


積み込みに備えてアルミの歩み板を展開した様子。後部右側には「長大車両」の標識が設置されています。
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手前は今回の実演の為に堤からやってきたNo.2451。2014年1月から運用を開始しました。
奥は同じく実演のために長草からやってきた19mタイプのフルトレ型キャリアカー。
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トラクタ側・・・
今回の21m車と従来の19m車の違いはトラクタ側の全長。ホイールベースを6.3mにまで延長することで、下段の積載を1台→2台としました。さらにキャブは滅多に見られないローキャブ(キャブの高さを下げた仕様)とすることで全高を少しでも抑えています。エンジン出力は360PSと、積載量に対して少しアンダーパワー気味の様子。
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ここからは積み込みの様子をご紹介します。
まずは1台目。1台目はキャブの上に斜めに積むので、背の低い頭側から積み込みます。
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1台目の積み込み完了
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2台目はバック積みですが、頭から積むこともあります。
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2台目を積み終えると、トラクタとトレーラを結ぶフロアをトラクタ側に収納します。フロアは電動式となっており、リモコンで操作します。
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続いて3台目、こちらもバックで慎重に積み込みます。最後部の大型反射鏡は邪魔にならないよう、外側に90°開く構造になっています。
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4台目をトレーラ上段に積みますが、車高が4.1mを超えないよう、3台目と向かい合わせになるように積み込みます。
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上段の積み込みを終えると、下段の積み込みに備えて上段を最大位置まで上げておきます。イメージ 16
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下段先頭の5番フロアもバックで積みます。
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今回は5台で積み込み終了。
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車両の固縛を終えるとフロアを挿入したピンの位置まで下げ、連結部のフロアや歩み板を格納して積み込みは終了です。
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フル積載状態はこのようになります。

車体各所に設けられたフロア昇降用の操作スイッチ。下はフロア昇降の度に運転席まで行かなくても済むよう設けられた、エンジンの遠隔操作/停止スイッチ。
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堤には数台が配備されたそうです。
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2014年8月 トヨタ博物館企画展連動イベントにて

イメージ 3本日はマルノウチが保有するキャリアカーをご紹介します。
 
マルノウチは東京都に本社を置き、車両輸送と陸送を主な業務とする事業者です。トヨタやダイハツ、富士重工業、メーカー系販売店を取引先に持ち、2010年にはタイに進出しています。
 
本車両は同社の主力であるプロフィア+6台積みキャリアカー。一昔前にはトラクタの上部に車両積載設備を設けた「亀の子式」タイプが普及しました。しかし、全高や重量の面でキャブ上に積載するのは難がある背高コンパクト系やミニバン系が国内販売の主力になったことや、トラクタ自体の全高が高くなったことから、キャブ上に積載可能な車種は減少の一途を辿り、現在はこのようにトレーラのみに積載するタイプが主流となりました。
 
 
キャリアカー用のトラクタは、グースネックが長いキャリアカーに対応するためロングホイールベースのものが用意されています。本車両はホイールベース3780mmのG尺車。小タイヤを履き、荷台高さが抑えられています。また、連結総重量が軽いことから搭載エンジンは340~360PS程度のものが主流で、400PS以上のものはまず設定されません。
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キャリアカーのフロア(荷台)には、上段の前側から1番→2番→3番、下段も前側から4番→5番→6番と番号が割り振られています。乗務員は積載車種とトレーラ側の様々な制約を考えながら、積み込む場所を決定します。
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トラクタのすぐ後ろの上段が1番フロア、下段が4番フロアです。
1番と4番はフロアの下にトラクタの駆動輪が存在するため、他のフロアに比べて高さが取れません。そのため、ここにはセダンやステーションワゴンなど車高の低い車を積み込みます。ただし、4番を潰して1番に背高車を積むケースも散見されます。今回は1番と4番にプリウスを前後逆に積み、1番フロアを4番のプリウスのフロントガラスに沿うように傾けることで、少しでも高さを抑えています。
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4番フロアを潰して、1番にヴェルファイアを積んだ例。
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中央の上段が2番、下段が5番フロアです。
ここは制約が小さいため、背高車の2段積みが可能です。2番の車はプリウスα、5番はウィッシュ。4番フロアのプリウスのリアバンパーに当たらぬよう、ウィッシュは前向きに積まれています。
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2番にアルファード、5番にヴェルファイアを積んだ例。
この場合4.1mギリギリの高さになるので、上段のアルファードと下段のヴェルファイアを互い違いに積み、上段フロアを傾けることで高さをクリアしています。
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後部の上段が3番、下段が6番フロア。
3番フロアはやはり背高車や大型車を積みことが可能。6番フロアも高さこそ確保出来ますが、両側にトレーラの後輪があるため、5ナンバーサイズ(全幅1700mm未満)以下の車しか搭載出来ません。ちなみに、積載作業時にはアウトリガーでトレーラをジャッキアップし、後輪を外に張り出して邪魔にならないようにします。3番にはウィッシュ、6番にはiQを搭載。ウィッシュは高さを超えないよう少し斜めに、iQはウィッシュのフロアに当たらないよう、後ろ向きに積まれています。
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上段はフロアを斜めにして高さを抑える、下段は障害物のある方やフロアが斜めになる方に
頭を向けて搭載するのが、きれいな積み方のポイントでしょうか。
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2012年1月 伊勢湾岸道長島PAにて
 
 
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「トヨタ輸送 フルトレーラー式キャリアカー」
勝手にリンク→「UDクオンキャリアカー」

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